朝起きたら、今日の段取りがもう届いている。そんなAIエージェント、つまりAI秘書を、ClaudeのCoworkで4つ作る方法をお話しします。プログラミングの知識ゼロからAIに仕事を任せる仕組みを作ってきた経営者として、どこまで任せられて、毎日の何が浮くのかを考えます。
この記事の結論
結論を先に3つお伝えします。1つ目。4つのAI秘書は、段取り、資料づくり、読み解き、本番の練習の係です。
2つ目。頼み方は、どれも同じ5つの部品でできています。仕事、道具、分け方、出してほしい形、そして、してはいけないことです。
3つ目。任せるのは一気にではなく、一段ずつです。読むだけから始めて、信用できたら広げていきます。
チャットとAIエージェントは何が違う?
チャットは、質問して答えをもらう場所です。AIエージェントは、仕事を渡して仕上げてもらう相手です。Claudeでは、仕事を任せるこの機能を「Cowork」と呼んでいます。9月から順に、いつもの会話の中から、そのまま仕事を任せられるようになりました。
使えるのは、月20ドルのProから上の有料プランです。ただし、仕事を任せると、チャットより使える量を早く使います。
この考え方は、ChatGPTやGeminiでも使えます。ボタンの場所は違っても、仕事の渡し方は変わらないからです。
1つ目:段取りの係(メールと予定表)
なぜ、段取りがいちばん先なのか? マイクロソフトが働く人の1日を調べた数字では、1日に届くメールは平均117通。会議やメールや通知で、2分に1回、手が止まっています。これでは、考える時間が細切れになってしまいます。
そこで、入力欄の「+」のボタンからGmailをつなぎます。つなぐときは、どんな許可を渡すのかが画面に出ます。そこは必ず読んでください。
頼み方は、こうです。「昨日から24時間の、未読のメールを読んでください。急ぎ、知っておくこと、無視してよいもの、の3つに分けてください。急ぎのものには、僕らしい返事の下書きを作ってください。僕の承認なしに、送信はしないでください。」
返事を自分らしくするには、過去に送ったメールを50通読ませて、挨拶、締めの言葉、文の長さ、よく使う言い回しといった書き方の癖をまとめてもらいます。
数日使って仕分けが信用できたら、Googleカレンダーを足します。今日と明日の予定と急ぎのメールを突き合わせ、ぶつかっている予定や準備が要る会議を教えてもらう。最後に「/schedule」で毎朝決まった時間に動かせば、パソコンを閉じていてもクラウドで動きます。
任せる順番:見えるようにして、速くして、自動にする
ここが一番大事です。決めることは、いきなり任せない。まず仕事を見えるようにする。次に速くする。それから自動にする。そして最後に、自分の判断で少しずつ任せていきます。
人も、入社した日にいきなり部長にはなりませんよね。AI秘書も、一段ずつ昇進させればいいのです。AIエージェントに仕事を任せているアメリカの経営者たちも、道具を作るのは簡単で、難しいのは何を任せるかを決めることだ、と口をそろえます。
2つ目:資料づくりの係(メモからパワポ)
パソコンの中のフォルダを1つClaudeに渡し、メモや下書きを入れておきます。そして「このメモで、社長に出す提案の資料を作ってください。8枚から10枚、15分で話せる長さで。足りない情報があれば、先に質問してください」と頼みます。
出てくるのは、パワーポイントで開いて直せる本物のファイルです。これはClaudeに「スキル」、つまり決まった仕事のやり方を書いた手順書があるからです。自分の会社の色や書体をスキルにすれば、毎回同じ見た目の資料が出てきます。
ただし、AIはこちらの考えを何倍にもする道具です。ぼんやり渡せば、ぼんやりが何倍にもなります。
3つ目:読み解きの係(望遠鏡と顕微鏡)
望遠鏡は、散らばった情報を1枚の絵にまとめる使い方です。初めて取引する会社を、ネットと過去のメールのやり取りと最近のニュースから調べ、出典をつけて報告してもらいます。
顕微鏡は、1つの書類を深く掘る使い方です。契約書を要約させると、肝心の細かい所が消えます。そこで、料金、義務、期限、対象外、危ない所を探させ、「書いてあること、やさしい言い方、なぜ大事か、危なさ、聞くべき質問」の5つの列の表にしてもらいます。
お金や健康の、人に見せたくない書類は上げない方が安心です。そして、同じ調べものをClaude、ChatGPT、Geminiに出して比べる。並べると偏りが見えてきます。
4つ目:本番の練習相手
商談、面接、銀行との面談、値上げのお願い。いちばん大事な言葉を、いちばん大事な場所で、初めて口にしてはいけません。
相手の会社のこと、こちらの提案、自分の経歴を渡し、「あなたは慎重な銀行の担当者です。質問は1つずつ。弱い答えには遠慮なく突っ込んでください」と役を決めます。一番効くのは、文字で打たずに声で話すことです。スマホのClaudeのアプリには、声で話せる機能があります。
練習が終わったら役を降りてもらい、コーチとして弱かった所と、もっと良い答え方を3つ教えてもらう。最後に学んだことを1枚のメモにまとめてもらえば、本番の前に見返せます。
4つで生活の99%は自動化できる?
僕の見方は、こうです。速さ、覚える量、作る量の勝負なら、機械が毎回勝ちます。でも、自分の時間を何に使うのか? 最後にどう決めるのか? ここは機械には持てません。
4つのAI秘書が引き受けるのは作業です。そのぶん、人間には判断が残ります。人は判断、作業はAI。経営者がAIに仕事を任せるときの考え方そのものです。
AI秘書を安全に育てる3つの順番
1つ目。最初は読むだけと下書きまで。送信と削除はさせません。Claudeは、ファイルを完全に消す前に許可を求める作りで、動く前に毎回確認を求める設定もあります。
2つ目。60点で始めて、使いながら直します。最初から完璧な頼み方を作ろうとしないことです。
3つ目。うまくいった頼み方は、スキルとして残します。すると、AI秘書は使うたびに、こちらの仕事を覚えていきます。
まとめ
ClaudeのCoworkで作る4つのAI秘書は、段取り、資料づくり、読み解き、本番の練習相手です。頼み方は5つの部品。任せるのは一段ずつ。道具を作るのは簡単で、大事なのは、何を任せて、何を自分の手に残すかです。
動画では、それぞれの頼み方を画面でそのまま見られます。真似しながら見ていただくと、明日の朝から何をAIに任せられるかが、より深く分かると思います。


