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YouTube解説2026年11月7日

S&P500、関税ショック以来の急落!今後どうなる? 過去40年、1週間で5%下げた1年後

11月5日、S&P500は1日で4.36%下げ、恐怖指数のVIXは1日で約7割も跳ね上がりました。長期で指数を持つ人は、急落した週をどう見ればいいのか? 過去40年のデータを使って、僕の目で整理します。

この記事の結論

結論を先に3つお伝えします。1つ目。今回の震源は、AIのデータセンターへの2つの不安です。

2つ目。過去40年、1週間で5%以上下げた週の1年後は、約8割で上がっていました。

3つ目。ただし、大きな下げはまとまって来ます。最初の下げが底とは限りません。最後に、急落した週に長期で持つ人が見る3つの物差しもお伝えします。

11月5日、S&P500に何が起きたのか?

S&P500は、アメリカを代表する約500社の株価をひとつにまとめた指数です。11月5日の下げは、1日の下げとしては2025年4月の関税ショック以来の大きさでした。10月の最高値と比べると、約6%下がった所にいます。ハイテクの大きな会社100社を集めたナスダック100は、6.36%の下げです。

恐怖指数のVIXは、16.6から28.2まで上がりました。VIXは、これから株価が大きく動くと市場がどれだけ心配しているかを表す数字で、28を超えたのは今年3月の急落以来です。株から逃げたお金は、アメリカの国債と金へ向かいました。

実は前の日、ダウは3%を超えて上げ、市場はいったん安心していました。その翌日に、空気が一気に変わったんです。

震源はデータセンターへの2つの不安

データセンターには、3つの立場の会社がいます。マンションにたとえると、設備を納める会社(AIのチップをつくるエヌビディア)、建てて貸す大家(計算の場所を貸すコアウィーブ)、借りて使う入居者(マイクロソフトのような大手のIT企業)です。

今週、ここに2つの不安が重なりました。1つは建てる側の不安です。アメリカで計画中のデータセンターの約27%はテキサス州にあると見られていますが、そのテキサス州で、新しいデータセンターの承認を一時止める動きが出てきました。電気や水、近くに住む人の暮らしを守るためです。

もう1つは借りる側の不安です。フィナンシャル・タイムズの報道によると、マイクロソフトはテキサス州のあるデータセンターを倍以上借りられる権利を使わなかったといいます。大家から見ると、いちばん大きな入居者が部屋を増やさないという話です。大家のコアウィーブは1日で約10%下げました。

S&P500は会社の大きさに合わせて重みをつけた指数で、今いちばん重いのは大きなIT企業です。だから、AIの株が揺れるとS&P500全体も大きく揺れます。

怖いときに持ち続けた人はどうなったか?

今年1月の最高値から3月30日まで、S&P500は約9%下げました。ところが3月30日から今回の急落の日まで、約16%上がっていました。100万円なら、急落したあとでも約116万円です。

2025年4月の関税ショックでは、わずか4日の取引で約12%下げました。その底から今回の急落の日まで、S&P500は約48%上がっています。

差がついたのは、相場を読む力ではありませんでした。怖いときに、売らずにいられたかどうかです。そして売らずにいられたのは、生活に使うお金を先に分けていた人だと、僕は考えています。

過去40年、1週間で5%以上下げた後は?

過去40年のS&P500の毎日の終わり値を使って、自分で計算してみました。40年は約2,087週。そのうち1週間で5%以上下げた週は39回でした。1年に1回あるかどうかの、めずらしい週です。

39回のうち30回、1年後のS&P500は上がっていました。1年後の上がり方の平均は約17%。ふつうの週の1年後の平均は約10%なので、大きく下げた週のあとのほうが上がり方が大きかったことになります。理由は単純で、下げたぶんだけ出発点が安くなっているからです。ただし、これは過去の話で、配当を入れない株価だけの計算です。

このデータの落とし穴

ここがいちばん大事な所です。大きな下げは1回で終わらず、まとまって来ます。2008年のリーマンショックの年には、5%以上下げた週が6回ありました。

数か月の間に続いた下げを1つの出来事としてまとめると、40年で21回になります。その最初の週から1年後に上がっていたのは21回のうち14回で、平均の上がり方も約9%にとどまります。いちばん悪かったのは2008年1月で、1年後のS&P500はさらに約36%下がっていました。

「大きく下げたあとは上がる」と決めつけるのは、危ない読み方です。なお今回の週は、金曜日の終わり値で約2%の下げ。5%には届きませんでした。

急落した週に見る3つの物差し

ウォーレン・バフェット氏は、2013年の株主への手紙に、自分が亡くなったあとの奥さんのお金の預け方を書きました。9割は手数料のとても安いS&P500と同じ動きをする投資信託へ、1割は期間の短いアメリカの国債へ。僕はこの1割を、「株が大きく下げても、生活のお金に困らないための分」と読んでいます。

急落した週の物差しは3つです。1つ目、1年以内に使うお金を株と分けているか? 2つ目、1週間の下げ幅ではなく、S&P500の会社の利益が伸び続けているか? 3つ目、下げた理由が一時の不安なのか、会社の稼ぐ力そのものが落ちる話なのか?

今回のデータセンターの話は、まだ「建つのが遅れるかもしれない」という段階です。

5年後・10年後のS&P500、強気と弱気

S&P500は、配当を入れない株価だけで、40年前の約30倍になりました。その間には、ITバブルの崩壊も、リーマンショックも、関税ショックもありました。強さの理由の1つは中身が入れ替わることです。40年前の主役は石油や機械の会社、今はAIとITの会社です。

ジョン・ボーグル氏が1976年に、個人が指数と同じ動きをする投資信託にお金を預けられる仕組みを初めてつくったとき、「ボーグルの愚かな試み」と笑われたと言われています。今では世界中の長期の資産運用の土台です。僕は、5年後・10年後もS&P500は、アメリカの会社の利益の伸びとともに大きくなっていくと見ています。次の10年の主役がAIをつくる会社か、AIを使いこなす別の会社かも、指数が入れ替えてくれます。

強気の見方は、今回の下げは利益の話ではなく建つ速さへの不安であり、大きく下げた週のあとは1年後に上がっていたことが多い、というものです。弱気の見方は、AIとITの大きな会社に重みが偏り、設備にかけたお金が売上にならなければ指数ごと下がる、今回が始まりの可能性もある、というものです。1999年3月から10年持ち続けた人は、株価だけで見ると約半分に減っていました。始めた時の値段が高すぎると、10年でも足りないことがあります。

見立てが崩れるのは、会社の利益が何年も続けて減ったとき、AIの設備にかけたお金が売上に結びつかないと分かったとき、そして生活のお金を分けておらず、下げの途中で売るしかなくなったときです。最後の1つだけは、市場ではなく自分の側の条件です。

まとめ

急落した週に見るのは、下げ幅ではなく、会社の利益と、自分のお金の分け方です。

動画では、データセンターの3つの立場の関係や、過去40年のデータの読み方を、順を追ってお話ししています。この記事とあわせて動画を見ていただくと、急落した週を長期の目でどう受け止めるかが、より深く分かると思います。

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