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忙しすぎてAIを学べない・・・その矛盾を、僕は2年間抱えていた

「学んでから使う」という呪い

朝、目を開けた瞬間からタスクが始まる。

メールの未読通知。

会議のリマインダー。

資料の締め切り。

海外法人とのやりとり。

韓国焼肉レストランのスタッフから届く相談。

複数の法人を経営していると、一日は砂時計の砂のように、指の間からさらさらと落ちていく。

夜中の12時を回って、ようやくパソコンを閉じる。

明日も同じ朝が来ることを知りながら、ベッドに倒れ込む。

その繰り返しの中で、ずっと頭の片隅にあった言葉がある。

「AIを使えば、もっと楽になるはずだ」と。

10年以上前からNVIDIA株を保有していた僕は、AIの可能性そのものには確信を持っていました。

メンターから投資を勧められたとき、AIがいずれ社会の基盤になることは理解していた。

投資対象としてのAIと、自分の日常業務に組み込むAI。

その二つが、まるで別の惑星の話のように感じられていた時期があります。

ChatGPTが世に出たとき、僕も飛びついた。

プロンプトの書き方を学んで、実際に触ってみた。最初の数日間は興奮した。

「これで効率化できる」と本気で思った。

でも、3日経つと開かなくなる。

1週間経つとプロンプトの書き方を忘れている。

また動画を見直す。

また試す。

また忙しさに飲み込まれて、使わなくなる。

このサイクルを、僕は2年間繰り返していた。

原因は明確だった。「学んでから使おう」と思っていたこと。

これが呪いでした。

忙しい人間にとって、「学ぶ時間を確保してから実践する」という順番は、永遠に来ない明日を待つのと同じ。

英語を完璧に学んでから海外に行こうとする人が、結局いつまでも飛行機に乗らないのと構造は同じです。

あなたも心当たりがあるかもしれない。

AIに興味がある。

使いたいと思っている。

でも、学ぶ時間がない。

忙しい人ほどAIを必要としているのに、忙しい人ほどAIを使えない。

この矛盾は、能力の問題ではない。

順番の問題でした。

発想を逆にした日

転機は、ある決断でした。

AIを学ぶことをやめよう、と決めた。

正確に言えば、「学んでから使う」という順番を捨てた。

代わりに選んだのは、「使わざるを得ない状況を先に作る」というアプローチでした。

最初にやったのは、メール返信。

毎日大量に届くメールの返信を、すべてAIに下書きさせるルールを自分に課した。

自分で書いた方が速い。

最初はそう感じた。

プロンプトを打ち込んで、出力を読んで、修正して、送信する。

明らかに通常より時間がかかった。

それでも続けた。

理由は単純で、「毎日やるタスクに組み込んだから」です。

メールは毎日届く。

つまり、毎日AIを使わざるを得ない。

学ぶ時間を別に確保する必要がなくなった。

次に、企画書の構成をAIに任せた。

見出しの候補を出させ、論点を整理させ、構成案を比較検討する。

会議の議事録も同様です。

録音データの要約、アクションアイテムの抽出、次回までの確認事項のリスト化。

業務の中でAIが関わらない工程をなくしていきました。

3週間が過ぎたころ、不思議なことに気づいた。

プロンプトを覚えようとしていないのに、指が勝手に動く。

「この場面ではこう指示すればいい」という感覚が、意識しないうちに染み込んでいた。

自転車に乗る感覚に近い。

理論を学んで乗れるようになったのではなく、毎日ペダルを踏んでいたら、いつの間にかバランスが取れるようになっていました。

ここで大事なのは、僕がやったことに特別なスキルは何も含まれていないということです。

エンジニア経験はゼロ。

プログラミングの知識もない。

ただ、順番を変えただけです。

「学ぶ→使う」を、「使う→結果として覚える」に。

たったこれだけのことで、2年間動かなかった歯車が回り始めた。

仕組みが人を変えるのではない。

仕組みが、意志力に頼らなくても動ける環境を作る。

忙しい人に必要なのは、モチベーションでも知識でもなく、使わざるを得ない導線の設計だったのです。

数字が語る、静かな変化

仕組み化の効果は、数字に表れました。

以前は1時間かかっていた資料作成が、5分で完了するようになりました。

3時間かけていた企画検討が、45分に短縮されました。

数字だけを見れば劇的な変化だが、体感としては驚くほど静かなものでした。

ある日ふと気づく。

「あれ、もう終わったのか」と。

以前の自分なら、まだ白紙の画面を前にうなっていた時間帯に、すでに次のタスクに移っている。

時計を見て、まだこんな時間かと思う。

その瞬間の静けさは、今でもよく覚えています。

劇的な変革というのは、映画のようなドラマチックな瞬間ではありません。

昨日より10分早く終わる。

先週より少し精度が上がる。

その小さな差が積み重なって、ある日突然、景色が変わっていることに気づく。

庭の木が育つ過程に似ています。

毎日見ていると変化がわからない。

でも、半年前の写真と比べると、明らかに違う。

僕にとって最も大きかった変化は、「考える時間」が生まれたことでした。

経営者にとって最も貴重な資源は時間ですが、もっと正確に言えば「何にも追われていない時間」。

タスクに埋もれていると、目の前の処理に脳のすべてを使ってしまう。

本当に大切な判断、たとえば事業の方向性や、新しい挑戦への決断。

そういったことを考える余白がありませんでした。

AIが作業を引き受けてくれることで、その余白が戻ってきた。

50代に入り、体力の衰えを感じていた時期でもあった。

20代のように深夜まで気合いで乗り切ることは、もうできない。

だからこそ、仕組みで解決する必要があった。

体力で補えないものを、構造で補う。

それが僕にとってのAI活用の本質でした。

2026年2月にビジネスパートナーが急逝した後、僕はAI経営本部を構築しました。

エンジニア経験ゼロの状態から48時間で作り上げた仕組みだ。

あのとき仕組みがなかったら、事業の継続すら危うかったかもしれない。

備えは、必要になる前に完成していることが重要なのです。

あなたの「順番」を変える

ここまで読んで、もしかすると「自分にもできるだろうか」と感じているかもしれない。

あるいは、「また同じように挫折するのではないか」という不安が頭をよぎっているかもしれない。

正直に言います。

僕もそうでした。

2年間、同じ場所をぐるぐると回り続けた人間です。

「今度こそ」と思っては挫折し、「やっぱり自分には向いていない」と思い、またしばらくして「でもやっぱり必要だ」と思い直す。

あの堂々巡りの感覚は、今でも身体が覚えています。

だからこそ言えることがあります。

問題は、あなたの能力ではない。

アプローチの順番です。

学んでから使うのではなく、使いながら覚える。

そのための仕組みを、先に作る。

それだけで、同じ24時間の中身が変わる。

20年以上インターネットビジネスを続けてきた僕が、ここ数年で最も強く実感していることがある。

AIは、人間の仕事を奪うものではない。

人間が本来やるべきことに集中するための、余白を作る道具です。

経営判断、創造的な発想、人との対話。

そういった、機械には代替できない領域に自分の時間を使うために、機械に任せられることは機械に任せる。

あなたが今、忙しさの中でAIを使えずにいるなら、それは自然なこと。

矛盾を感じているなら、それはあなたが正しく現状を認識している証拠。

あとは、順番を変えるだけでいい。

僕は、この「仕組み化」の具体的な方法を、これからも伝えて行きます。

20年間、一度も休まず書き続けてきたこの場所で、あなたと一緒に考えていきたい。

忙しい人が、忙しいままで、AIを味方にする方法を。

次の一歩は、小さくていい。

AIを動かしてみる。

それだけでいい。

完璧なプロンプトなど必要ない。

雑でいい。まず使う。

覚えるのは、そのあとです。

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